三倍体牡蠣(種苗)について
人類を含む多くの生物同様に通常の牡蠣も染色体セットを2つ持つ二倍体の生き物です。オス、メス共に1組ずつからなる染色体2組の受精卵をつくります。その染色体によってまたオス、メスとして成長し、成熟するとまた産卵。これを繰り返します。そこで広島県立水産海洋技術センターが研究開発によって品種改良した「三倍体牡蠣(サンバイタイカキ)」は、卵(二組)が受精(一組)後に受精卵から失うはずの一組を残し、三組の染色体を持たせることで成熟したオスやメスになりません。卵を上手く作ることができないため産卵によって栄養分を失うことなく、かきが産卵する夏でもおいしい肉質のまま成長します。
シングルシード養殖について
幼生期の浮遊生活を終える時期に細かく砕いた牡蠣殻に付着させた稚貝(チガイ)1.5~20mmを専用バスケットの中で一個ずつバラバラの状態で育てていきます。
波の力を利用して牡蠣を籠の中でランブリング(揺らす)し、成長させることで深いカップの理想的な殻形をつくり、付着物の少ないクリーンな美しい殻面を保ちつつ、殻が削れることで殻の成長に使われるべき栄養が身に集中し、実入りがよくなります。
また牡蠣の生育もプランクトンがむらなく行き渡り、安定することで大きさもばらつきが少なく、生産の作業効率を著しく向上させています。